オニテンの読書会

文化・民俗や、オススメ本の紹介、思ったことも書きます。

数学者によって作られたアニメがある。  サイモン・シン『数学者たちの楽園 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち』 おすすめ本の紹介です。

 みなさん、数学は好きですか?わたしは、数学の才能は、からっきしなかったのですが、数学者についての本を読むのは大好きです。フェルマーの最終定理や、ポアンカレ予想などの難問に挑む数学者の姿に、胸がトキメキます。

 今回、紹介する本は、挑戦する数学者について描いた本ですが、彼らが挑むのは数学的難問ではなく、コメディです。アメリカの大人気アニメーション「ザ・シンプソンズ」で、彼ら数学者たちは、脚本家となり、コメディに挑んだのです。

【目次】

 

 

 

サイモン・シン 『数学者たちの楽園「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち』

数学者たちの楽園: 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち

数学者たちの楽園: 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち

 

内容紹介

笑うか? 悩むか? 見つけられるか? 超人気アニメに隠された、驚くべき数学の世界! アメリカ 1アニメ『ザ・シンプソンズ』は、じつは超難解な“数学コメディ"で、シナリオを作ったのはなぜか“ハーバードの博士"たちだった! 番組の大ファンである著者がシンプソンズ・ファミリーのドタバタ風刺アニメに隠された数学の魅力とサブカル的なディテールを語り尽くす。アメリカの知性・感性・毒性がここに!

 

 内容紹介を読んだだけでも、面白そうですね。

 

シンプソンズとは?

 シンプソンズは、アメリカのテレビ放送史上、最も成功した娯楽番組と言われ、1989年の放送から、現在まで、放送されている長寿アニメ番組です。

 アニメの中心は、シンプソン一家の5人がスプリングフィールドという架空の街で、繰り広げるコメディアニメとなっています。主人公は、坊主頭の中年男性、ホーマー・シンプソンです。彼の家族が織りなす無茶苦茶な日常を覗き見る、そんなアニメになっています。

 

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(出典:The Simpsons | Home of The Simpsons on Global TV)

 

 みなさんは、「ザ・シンプソンズ」を観たことはありますか?わたしは、小学生の時に出会って、大好きになり、映画も観に行ったり、DVDを購入したりしています。各話に深い洞察が含まれており、一見コメディなのですが、考えさせられる内容となってい話も多くあります。

 

 それでは、この本のオススメポイントを書いていきます!

天才たちが挑んだコメディ!

 この「ザ・シンプソンズ」の脚本家には、世界的な名門大学で数学を学んだ数学者が多くいるのです。

 例をあげますと、脚本家である、ケン・キラーは、ハーバード大学で学士号、そして同大学で博士号を取得しています。他にも、ジェフ・ウェストブルックは、ハーバード大学で学士号、そしてプリンストン大学で博士号を取得しているのです。 

 彼らが作り出したコメディ作品「ザ・シンプソンズ」には、多くの数学的テーマが含まれていると、著者サイモン・シンは指摘しています。数学ジョークが隠されているそうなのです。

 例えば、トポロジー(位相幾何学)の問題について、主人公のホーマーが黒板に書いた図がこちらです。

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(「ホーマーの黒板」67頁より引用) 

 この図は、幾何学においては、穴をもつドーナッツは、どう変形させても、ボールのようにな球体にならないのです。それは、球には穴がないのに対し、ドーナッツをどれだけ伸ばしたり潰したりしても、真ん中の穴をなくすことはできません。

 しかし、ホーマーは、考えます。「食べてしまえば良いのでは?」と。そして、ドーナッツを食べ、バナナのような形になれば、トポロージーにおいてボールと同相となる、ということが、この黒板に表されているのです。

 

 この他にも、たくさんの数学的ジョークの説明がこの本に載っています。「ザ・シンプソンズ」が好きな方も、数学の好きな方も、楽しめる本なのではないでしょうか。

 

作家サイモン・シンが楽しんで書いている!

 この本の作者サイモン・シンをご存知でしょうか?彼自身が、物理学者なのです。彼は、『フェルマーの最終定理』や『暗号解読』などの数学にまつわる物語を多く出版している作家です。

 彼の略歴を見てみましょう。

 1964年、イングランド生まれ。ケンブリッジ大学大学院 で素粒子物理学の博士号を取得し、ジュネーブの研究センターに勤務しています。その後、イギリスのテレビ局BBCに入局し、科学に関するドキュメンタリーに携わります。その中で、TVドキュメンタリー『フェルマーの最終定理』(1996)が国内外の賞を多数受賞し、その内容をまとめた本を出版します。その後も、『暗号解読』や『宇宙創成』など科学史を中心とした本を出版しているのです。

 わたしは、彼の本はほとんど読んでいるのですが、本書が一番手に取りやすいものになっていると感じました。他の著作が、歴史的な考察を多く含んでいるのに対して、この本では、「ザ・シンプソンズ」における数学ジョークを説明することに注力しており、説明もわかりやすいので、数学に馴染みのない方でも読みやすいのではないでしょうか。

 わたしとしては、「サイモン・シン、楽しんで書いたんだろうな。」と読んで思いました。

 

 みなさんも、数学と、コメディの世界に生きる数学者の存在を確かめてみませんか?

 

 

 サイモン・シンの著作です。

 

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

 
宇宙創成〈上〉 (新潮文庫)

宇宙創成〈上〉 (新潮文庫)

 
暗号解読〈上〉 (新潮文庫)

暗号解読〈上〉 (新潮文庫)

 

 

 

 

 

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