オニテンの読書会

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河童について勉強してみよう! めざせ!妖怪検定!⑥

「日本には、どんな妖怪がいますか?」と聞かれたら、恐らく「河童」と答える人は多いでしょう。

妖怪検定の中にも、「河童系」の妖怪という難関がありまして、地域によって似ているような名前の「河童系」の妖怪が非常に紛らわしいのです。

その恐ろしさを表すために、まず千葉県にある「国立歴史民俗博物館」(オフィシャルサイト:https://www.rekihaku.ac.jp/)がまとまった河童の異名のまとめについて見ていきましょう。

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セゴ、カシャボ、カワタロウ…など、図の通り、地域によって「河童」に対する呼称も異なりまして、その性質も似ているようが、微妙に異なる部分があります。

 

久しぶりの妖怪検定に関する記事は、石田英一郎の『河童駒引考』を紹介し、妖怪検定ノートをまとめていきたいと思います。

 その前、先に河童の特徴を少し紹介したいと思います。相撲が好き、胡瓜が好き、水辺に住む、人の尻子玉を取るなどの特徴は言うまでもないでしょう。

 ここで妖怪検定に役に立つ3つの要点を取上げます。

 

そして、再び申し上げますが、受験したい方は、是非手元に『日本妖怪大全』を!!!

 

決定版 日本妖怪大全 妖怪・あの世・神様 (講談社文庫)

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○河童は「川」だけではなく、山、海にもいます!

河童の漢字では「河」がついていますので、河辺に生息見えますが、河のみならず、山や海などにも河童系の妖怪が存在しています。

海にいる河童系の妖怪は、例えば『日本妖怪大全』に取り上げた小法師(頁310)、山の方は例えば木の子(頁254)などがあります。

そして、妖怪検定ノートの事例4の「カシャボ」、事例7の「エンコウ」など、季節によって、水辺と山辺で行き来する事例も幾つかあります。

 

○河童は馬を水に引こうとします!

河童は馬を水に引く話は数多く見られます。そして、流れとしては馬を水に引こうとする河童は失敗してしまいまして、何かのお詫びとして、魚や特別な薬などを馬の主に渡します(事例として、妖怪検定ノートの、項目3、項目8を参照お願いします!)。もしくはお詫びの文書を残す場合もあります。

 

○河童は信仰の対象でもある!

河童は人の尻子玉を取り、人を溺死させる伝説を有する一方、水難除けの祈願対象でもあります。事例として、妖怪検定ノートの項目2と項目7を参照お願いします。

 

そして、ここでは『河童駒引考』を簡単に紹介したいと思います。

『河童駒引考』は柳田國男(1875−1962)の『山島民譚集』に紹介した「河童駒引」の話を触発点され展開した論で、著者の石田英一郎(1903-1968)は人類学者、元々柳田國男の古稀記念論文として執筆をはじめました。

 

新版 河童駒引考―比較民族学的研究 (岩波文庫)

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柳田國男の『山島民譚集』の初版は1914年に発行され、最初は500部のみ印刷し、親交のある友人達に送ったものです。そして、1942年の際に再版をしました。芥川龍之介1927年に発表された風刺小説、『河童』の中でも柳田の『山島民譚集』に触れています。

(芥川龍之介の『河童』、青空文庫でも読めますよ!)

 

山島民譚集 (東洋文庫 (137))

山島民譚集 (東洋文庫 (137))

 

 

『山島民譚集』の中に、柳田國男は「水の神の童子が妖恠と落ちぶれるに至った顛末」を解明したいため、地誌などから日本の河童に関する事例を網羅しました。そして、河童の正体の一つを猿と見なし、牛馬の保護者としての猿に関する信仰、そして水神への信仰と類似する河童の性質を取上げまして、馬を水に引き込もうとする河童の性質を論じていました。

それを踏まえ、石田英一郎の『河童駒引考』が、日本の歴史や民俗の中から「河童」の正体を見出すではなく、更に世界的な目線から、時空を超えて資料を取上げました。石田英一郎は柳田國男の提示した河童と水神との関係を踏まえ、考古学、歴史の資料を学際的に集め、そして、地域についても、中国、ヨーロッパなど広いユーラシアの事例を収集しました。水神、供犠として牛から馬への交替、そして猿と馬の関係など論じています。

 

河童の話はまさか世界的な展開に見えるのは、本当に不思議ですね!

 

 

それでは、妖怪検定ノートに入りたいと思います。

  

1. 水蝹(けんもん)(頁289)

  • 地域:鹿児島県、奄美群島
  • ガジュマルの林に住んでいる。おかっぱ頭、中にがはいている。をこぼれると死んでしまう。
  • 夜になると火をつけて海岸に出る。相撲好き、目が鋭く顔は赤い
  • 夜道に人に化かす。昔南方に流れ着いた神と云われる。

 

2. ひょうすえ(頁616)

  • 地域:九州
  • 別名:兵揃、兵主、兵主部とも。
  • 佐賀県武雄市、塩見神社、渋江氏を祀っている。その祖先は工匠の兵部大輔島田丸で、人形を造る秘法を使用し、春日大社を建設しました。そして、川に捨てた人形が河童になりました。
  • 兵部大輔島田丸はそれを鎮め、以降河童は”兵主部”と呼ばれた。
  • 水難除けの歌『兵主部よ、約束を忘るなよ 川立男 氏も菅原』

 

3. 一目入道(頁79)

  • 地域:九州
  • 別名:兵揃、兵主、兵主部とも。
  • 佐渡、加茂湖
  • 様子:頭の上に一つ大きな目。
  • 馬にいたずらして、馬主に捕まえた。一目入道は毎日瑠璃の鈎に九州
  • 別名:兵揃、兵主、兵主部とも。
  • 魚を掛けることを約束した。ある日馬主がこっそり瑠璃の鈎を持ち帰って、その後魚がもらえなくなり、毎年の正月15日は馬主の家にいたずら。念仏を唱えて免れた。
  • 集落(佐渡)に観音堂を立てた際に、瑠璃の鈎は仏像の白毫はめられた。

 

4. カシャボ(頁189)

  • 地域:紀州(和歌山県・三重県南部)
  • 河童(ドンガス、ガオロ)がになって、に入るとカシャボになる。
  • 様子:青い服、頭は芥子坊主、6、7歳の子どものよう、頭を振るとガチャガチャ音が鳴る。「火車」を意味する「ガシャグ」が語源の説もあります。
  • 人の周りにやってくる(水鳥のような足跡)。牛や馬に害を加えます。

 

5. カンチキ(頁237)

  • 地域:山梨県
  • 様子:背中に亀甲を背負い、頭はざんばら髪、顔は青黒く、烏天狗に似ている。水中に人を引く力が強いですが、逆に押さえれば、ひっくり返ってしまう。
  • 人間の尻こぶ(肛門)から内臓を引き出して食べます。

 

6. ガラッパ(頁220)

  • 地域:奄美大島、トカラ列島
  • 様子:体が細く、手足が長い。頭に皿があり、口生臭い
  • 春は川辺、秋はに住みます
  • 山で人に憑く。道に迷わせ、腹痛を起こせることなどがあります。
  • カラッパの悪口を話してはいけない。友達になると、魚がよく釣れます

  

7. エンコウ(頁120)

  • 地域:中国・四国地方
  • 川・池・海に住む。金物が嫌い。相撲が好き。人に憑きます。
  • 高知県南国市では、エンコウ祭(猿猴祭)、毎年6月の始めのところに行われる。胡瓜を供えて、一年中の水難除けを願います。
  • 類似する妖怪:山に住んでいる芝天狗、旧暦6月7日の祇園の日、川に入って、エンコウになります。

     →エンコ婆(頁121)、地域:愛媛県宇和地方

 

8. 祢々子河童(頁546)

  • 地域:利根川
  • 関東の女性親分河童。生簀から魚を盗み、馬・子どもを水に引っ張る、キュウリ畑を荒します。
  • ある日、馬を引っ張ろうとする際に失敗、許してくれるお礼として切り薬の秘法を伝授しました。
  • 祀っている神社があります。

  

9. 川者(頁233)

  • 地域:大分県
  • 取り憑かれると病気になる。専門の法者に落としてもらうしかありません。
  • 取り憑かれるのは女性が多い、取り憑かれた女性媚態を演じます
  • 大分県中津市、河童お詫びの証文がある。誓約文は1786年のもので、署名はケンヒキ太郎。

  

10. キジムナー(頁243)

  • 地域:沖縄
  • 別名:セーマ、ブナガヤー
  • ガジュマルの木の精霊
  • 様子:姿は赤ん坊のようで、全身。魚を片目だけ食べます
  • 夜に提灯を持って歩くと、が取られます
  • 原因不明の火:キジムナー火、漁が上手。
  • 嫌いなもの:蛸、屁、熱い鍋蓋

 

 

 

 最後の最後、

 

皆様、2017年の第12回妖怪検定の申し込みが始まりましたよ!!

申し込み期間は2017年8月13日(日)~9月30日(土)で、妖怪博士を目指す方々もぜひ忘れずに!!

詳しい情報は境港妖怪検定オフィシャルサイトを御覧ください

 

 

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