オニテンの読書会

文化・民俗や、オススメ本の紹介、思ったことも書きます。

盲目の少女が、《見た》残酷な真実とは? ジッド『田園交響楽』

【108円本屋大賞】

某大手古書店チェーンに存在する100円均一棚。それは、売れ残り、値段が下げられ続けた本たちが、最後に行き着く、最果ての地である。しかし、そんな棚にも、傑作、名作が眠っている。そんな本を救い出し、読み、人に勧めたら、、、

と思った、わたしが始めるシリーズです。

 

 今回ご紹介する本は、ノーベル文学賞受賞者である、フランス人作家、ジッドの『田園交響楽』です! 

田園交響楽 (新潮文庫)

田園交響楽 (新潮文庫)

 

 あらすじ

 

身寄りなく、まったく無知で動物的だった盲目の少女ジェルトリュードは、牧師に拾われ、その教育の下でしだいに美しく知性的になっていった。しかし待ち望んでいた開眼手術の後、彼女は川に身を投げて死んでしまう。開かれた彼女の眼には何をみたのだろうか。牧師と盲目の少女、牧師の妻と息子との四人の愛情の紛糾、緊張を通して、「盲人もし盲人を導かば」の悲劇的命題を提示する。 

田園交響楽 (新潮文庫)

 

 この小説は、ジッド(1869~1951)は、フランスの作家で、1947年にノーベル賞を受賞しています。彼は、厳格なプロテスタントの家庭に生まれたのですが、そうしたキリスト教的背景が、この小説を支えるものととなっています。

 それでは、わたしのオススメポイントです!!

 

①慈悲か、悦楽か? 盲目の少女への献身

 この小説は、主人公の牧師の視点で描かれます。牧師である彼が、残した手帳の日記が、物語となっているという、一人称視点の小説です。牧師である彼は、聾唖であった老婆に育てられた、盲目の少女ジェルトリュードと出会うことから、この物語は始まります。彼女は、話すことはおろか、反応することもありません。しかし、牧師の教育により、しだいに言葉を覚え、聡明な女性へと成長します。

 牧師の主人公は、彼女の保護を、神から与えられた運命と考えます。慈悲の心から、と彼は言うのですが、だんだんと美しい少女であるジェルトリュードの魅力に引き寄せられてしまいます。

 それは、「醜いもの」、「汚いもの」を見ていない、知りもしない、彼女を、神聖視するかのようです。

 彼は、慈悲と言いながらも、純真で、保護を必要とする少女への、《教育》をやめることができないのです。それは、すでに慈悲の枠を超えたものでした。

 

②不思議な四角関係

 この彼の活動を、こころよく思わない人々も、います。彼の妻です。彼の、過度な献身を咎めるのですが、牧師の彼は、意に介さず、妻を歪んだ、醜いものと感じてしまうのです。また、彼の息子は、美しいジェルトリュードに思いを寄せます。息子の恋慕を感じ取った主人公は、息子を遠ざけようとするのです。

 彼は、息子や妻といった家族と、ジェルトリュードとの間に立ち、思い悩むのですが、それでもやはり、彼女への愛情を止めることはできません。

 この家族を巻き込んだ、父親の献身は、不思議な恋愛関係となって、物語を彩ります。

 

③開眼手術、そして、自死へ

 美し育ったジェルトリュードに、開眼手術のチャンスがやってきます。彼女は、手術によって、世界を初めて見ることになるのです。しかし、手術により、物語は、破滅的な最後を迎えます。

 彼女が、見たものは、なんだったのでしょうか?

 ぜひ、この作品を読んで、確認してみてください!!

 

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 (一応、読んだ証として、本の写真をあげておきます。)

 

 108円本屋大賞では、以下の本も紹介いたしました。

www.oniten-yomu-book.com

 

www.oniten-yomu-book.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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