オニテンの読書会

文化・民俗や、オススメ本の紹介、思ったことも書きます。

小学生の作る秘密基地の観察報告。

 小学校の頃、よく友人たちと秘密基地をつくりました。家の近くの裏山、沼地の側の茂みに、自分たちの基地を作っていました。その規模は、大人になった自分としては、あまりにも小さく、作りもシンプルなものでしたが、ヒモで陣地をくくったり、枝を集めたりしただけで、ワクワクしましたね。

 今回は、たまたま、公園で出会った小学生たちの秘密基地作りへの奮闘を報告したいと思います。

 

 「秘密基地作成」観察報告

 職場の近くの公園で、小学校2、3年生の男子4名が造った完全オープン型・視認型「秘密基地」が、如何なる過程をもって構築されたのか、2月初旬からの私の観察結果をご報告いたします。

 

 
小学生たちとの出会い、そして観察へ


 彼らとの出会いは、2ヶ月前に遡ります。職場に向かって歩いていたわたしの耳に、「このヒモちょうだい」という、小学生同士のやりとりが聞こえたのです。わたしは、そのヒモをどうするのだろうと、しばらく見ていました。そして、彼らが基地を作ろうとして話し合っているのに気づいたのです。 彼らのチームは4人で、みなジャージを着た元気そうな男子でした。

   「秘密基地、これでつくろう!!」という、元気な声が聞こえてきました。

 おじさん(わたし)は、彼らの奮闘を見守ることを決心したのです。

 それは、失った童心を取り戻すこと、そしてなによりも、基地作っている小学生は、面白いと思ったからです。

 

 以後、通勤途中や、土日で会った小学生の奮闘ぶりを記していきたいと思います。 

 


システム開発「ヒモシステム⇒板システム⇒枝システム⇒W枝システム」

 

 まず、秘密基地を作成するために使用したものは、前述のヒモでした。それは、1メートルに満たないもので、かなり短く、それもボロボロのヒモが3本ほどしかありませんでしたが、ヒモとヒモを結い、木の幹と枝を結びつけることで、ある種の境界を作り出す役割を果たしていたようです。

 これが、彼らの秘密基地の境界を表し、他の木との区別を可能にするものであることは、容易に想像できました。


 その二週間後、彼らのなかに、革命的なものを手に入れます。それは板でした。

 彼らは、この板を木と木の間に置き、枝の上で座ることの安定性を向上させることを目指し板を設置したのです。板の大きさは、1平方米ほどで、なかなか大きなものでした。

 3月初週、板システムの限界を感じたのでしょうか、彼らは、木々の間を、2メートルほどの枝で橋渡しにするシステムを構築したのです。

 このシステムに移行するため、先ほど使用されたヒモがブリッジ固定用に使用され、板ははずされることになりました。

 彼らの、飽くなきクリエーター魂は、その後W枝システムを生み出します。前に固定された枝のすぐ横に、同じ長さの枝を探して来て、ヒモでくくりつけていました。

 これにより、実際に少年たちが、木々をスムーズに移動することが可能になりました。このシステムを開発した時に、たまたま居合せることができたのですが、小学生たちは、かなり興奮しており、なんども枝と枝との間を行き来していました。

 

 しかし、この「W枝システム」は、4月中旬にあった豪雨により、現在1本になってしまいました。この風雨によって、壊滅してしまった基地を小学生たちは、少しずつですが、現在も、修復に勤しんでいるようです。

 

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(実際の写真です。壊滅後です。全体像はうまく撮れませんでした。)

 

 最後に、このシステムの移行の中で、見えたものは、システムが高度になればなるほどに、秘密基地の下にゴミが増え、公園が少しずつ汚くなっていったことでした。技術革新が先鋭化することで、視野が狭くなっていくのか、倫理観が欠如していくのか、分かりませんが。

 

 今回の小学生の秘密基地の観察を通してわかったことは、小学生たちが自由な発想で作り上げるものは面白いということです。できれば、小学生の作った秘密基地写真集を出版してほしいなと思いました。

 母に、この小学生たちの奮闘を話したところ、母の思い出を聞きました。

 「竹林の間をきれいにして、ヒモで丸く陣地を作った、次の日に、お母さんはしゃもじを持って行ったのよ。」と。

 思わず、しゃもじを持って行ってしまうほど、ワクワクするのが秘密基地なのですね。

 

 そういえば、なんで「秘密基地」っていうんだろう、みなが分かるような場所に作っているのに、と思った今日この頃でした。