オニテンの読書会

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めざせ学振!! かんたん特別研究員DC1採用申請の書き方 (文系院生向けです。)

 特別研究員DC1採用申請について、私の経験を交えながら書かせていただきたいと思います。前回の2記事では、学振とは何か?、そして、特別研究員DC1を目指すためのスケジュール管理について書きました。

 今回は、特別研究員DC1採用申請の書き方について書いていきたいと思います。前回のブログ記事は、以下になります。 

www.oniten-yomu-book.com

 

それでは、特別研究員DC1採用申請に向けて、話を進めていきます。

開始は、修士1年の3月くらいからにしたほうが良いでしょう。

 

◉スケジュールを作ってみよう

 何事も、スケジュールが大事です。なぜなら、私が知る限り、「書き終わらなくて断念」する院生も多いからです。採用申請は、たかが10ページ程度の文章ですが、 書く精神的、肉体的負担は大きく、私も胃痛を生まれて初めて経験しました😂

 簡単な目標を設定しましょう!

 目標は、4月中旬までに書き終わることです。(その後、見直し、書き直し)

 そして、一ヶ月近くをかけて構成や、内容を練り直します。

 

申請書作成

まず、博士課程の進学先を決めなくてはなりません。そして「受入教員」の先生を見つける必要があります。ここでは、修士課程から、そのまま同じ大学院へ博士に進学する設定でいきます。

  3月に済ますべきことは、

 ⑴先生に、博士課程に進学する意思を伝える

 ⑵特別研究員DC1採用申請をするための、「評価書」作成を依頼

 ⑶大学の総務係に、web登録の期間、提出日の予定を確認する(昨年の予定も含む)

 ⑷採用申請書類の全体像を把握する → 書き始める

 

⑴〜⑶は、すぐにできるので、パッパとやってしまいましょう。

⑷から、話を始めたいと思います。

 

 「申請書」を執筆において、絶対にしてはいけないことは、順番通り書くことです。

 なぜ、順番通り、ページ順に書いてはいけないのでしょうか。

それは、文字制限がある申請書であること、そして、論理構成が全てであるからです。この二点に留意することは、最終的な、申請書の見やすさにつながります。

 

「申請内容」の全体像(番号や区切り方は、私がフったものです)

 ①現在までの研究状況

 ②現在までの研究結果

 ③これからの研究計画 研究背景

 ④これからの研究計画 研究目的・内容

 ⑤これからの研究計画 特色・独創性・インパクト

 ⑥これからの研究計画  年次計画

 ⑦人権の保護及び法令等の遵守への対応

 ⑧研究業績

 ⑨自己評価

 

 私のオススメは、⑨→「⑧→②→①」「③→④→⑤」→⑦→⑥の順番です。

  この順番では、業績を研究結果にリンクさせ、研究の独創性を提示していくことになります。とくに、⑧研究業績を元に申請書の構成を考えることが、書きやすさにつながるのです。

 

一般的な研究は

先行研究の問題点→自分の研究→独創的な結果を発見→研究結果(発表・論文)

の順番で行われます。

 しかし、申請書においては、逆に、研究結果を示して、自分の独創性を明らかにし、自分の研究が「如何に先行研究を批判し、問題点を指摘したのか」と考えて、文章を書いた方が、論理的に書きやすいのではないでしょうか。

 

「⑨自己評価」

 最初に「⑨自己評価」を書いてみてください。自己評価を、最後の1週間に回す人も多いと思います。しかし、考えてみてください。おそらく、審査を行う先生方が、最後に目を通す場所が、「自己評価」になります。なによりも、書きやすいですし、自分を見つめ直し、なぜ研究者を目指しているのか、を考える機会にもなります。

 また、謙遜するべき、とか、丁寧にですます調で書く、という人もいますが、

 「私は、誰よりも優秀なので、お金をもらうべきである」ぐらいの不遜さで書いた方が、個人的に採用されやすいと思っています( ^ω^ )

 社会人経験がある方は、積極的に社会人としてどんな仕事をしたのか、そして何故、研究の世界に行こうと思ったのかを書いた方が良いかと思います。私は、書きました。

 

「⑧→②→①」の書き方

「⑧研究業績」

 研究業績で、空欄は回避したいところです。研究業績として、学会発表や論文がある人は、この発表や論文の内容、そして論点が「②現在までの研究結果」で書くものになります。

 

「②現在までの研究結果」(2ページ目の上部)

 ここでは、「⑧研究業績」の要旨、論点を書きます。できるだけ、箇条書きで書いた方が良いでしょう。たとえば、

ex. ⑴〇〇における△△発見:・・・・・・

   ⑵〇〇の◇◇の隆盛:・・・・・・・

   ⑶◆◆に見る▼▼の影響:・・・・・

のように、箇条書きで研究結果を見せていき、あとで肉付けをしていくのです。この箇条書きの研究結果が、「①現在までの研究状況」の研究の特色・独創性になるのです。

 

「①現在までの研究状況」(1ページ目)

 ここで書く内容について項目を見ると、研究背景→問題点→解決方法→研究目的→研究方法→特色と独創的な点、となりますが、

 ここでは、特色・独創性から書き始めます。内容は簡単です。②で書いた研究結果をわかりやすくリライトします。

 ex.《特色・独創性》

 ⑴先行研究で看過せれてきた〇〇での△△に着目

 ⑵〇〇において、◎◎時代に行われた◇◇の重要性の示唆

 ⑶▼▼ が一過性のものでなく、現代の◆◆にもその影響が見られることを指摘

 

こんな感じで書いていきます。(もちろん、これは例です。)

そして、この《特色・独創性》 が、研究の問題点、解決方法、研究目的になるのです。

ex.《問題点、研究方法、研究目的》

⑴△△の存在の欠如

⑵◇◇と××との関連性

⑶ ▼▼の止揚

 

と、書いてから、各項目を肉付けしていきます。これから、《研究背景》に移るわけですが、もちろん、前述の《問題点、研究方法、研究目的》で書いた内容にそって、研究対象の定義、時代背景、先行研究の問題点を明らかにしていくのです。

 

 ここまでが、修士1年の研究 内容になりますが、大切なのは、自分の研究の足りない部分や問題点を見つけておくことです。「①これまでの研究状況」で完璧な内容は、ほぼ無理です。審査されるのは、知識豊富な先生方ですので、こちらが書いた申請書の問題点は、すぐに気づかれてしまいます。そこで、自分で、自分の問題点を見つけ出し、それを補うものとして、これからの研究「③→④→⑤」 を書くことになります。

 

「③→④→⑤」の書き方 (自分の弱点を敢えて書く)

 すでにお気付きの方も多いと思いますが、ここでも、自分の特色や独創性、そして研究のインパクトから考え出し、研究方法や分析方法、参考文献を書き始めます。

 ただ、書く順番としては、「③→④→⑤」 が楽だと思います。

 重要なことは、今まで書いた内容3→1.5にし、これからの研究をプラス1.5することで、新たな3'を作り出すことです。(3とは、箇条書きにした研究結果です。)

 ときどき、これからの研究を、まったく新しく書き始める人がいますが、それはとても危険です。この申請書で、何よりも大切なのは論理構成力と、わかりやすさです。

 

③これからの研究計画 研究背景」(2ページ目の下部 )

 今までの、自分の行った研究の発展系をまとめ、自分の弱点を補填することを明示します。例えば、弱点が理論研究や、地域に限定したための一般化だったとします。

ex.《研究背景や研究の問題点》

⑴△△と▼▼の連関と、理論研究における位置づけ

⑵西欧社会における××との比較考察

⑶凸凹研究における◎◎の検証

と書いて、後で各項目に説明文を肉付けしていきます。ここでは、⑴と⑵が、「①②これまでの研究」で明らかにしたことと、弱点の明示になります。そして、⑶が新たな視点になります。それに沿って、研究の背景や先行研究を批判していくのです。

 大切なことは、これから書く内容が、過去の研究とつながっていることを明らかにすることです。

 

「④これからの研究計画 研究目的・内容」(3ページ目) (修士論文の内容+α)

 このページには、前記した問題点を詳述することになります。とても重要なことは、参考文献や先行研究の選定が適切であるかです。批判、または参考にする研究者や先行研究が、学問分野として理にかなったものであるかは、その後に書く「⑤これからの研究計画 特色・独創性・インパクト」に響きます。

 ここでは、情報の多くを、先行研究や参考文献に頼ることになりますが、私がオススメするのは、修士論文で書こうと思っていることとに、少しだけ難しそうなことをつけくわえるだけです。博士論文と、修士論文に連関が無いように書くこと自体が無理だと思いますので、3分の2は、修士論文で書くことを書いていきます。

 これによって、ある程度の目度がたっている研究や分析方法を書くことができますし、何より論理構成として無理が生じにくいのです。

 むしろ、研究意義やインパクトを意識して書くことが重要です。

ex.《研究計画 研究目的・内容》

⑴〆〆理論における△▼の特異性 (研究意義)

⑵××と近代ヨーロッパとの類似性と、その展望 (現在とのリンク、インパクト)

⑶凸凹研究における◎◎の分析の有効性 (学際分野、新たな発見)

 

と、それぞれ、その後に書く、研究意義やインパクトを想定して書くことが重要になります。それぞれ、参考文献や研究資料をあげることになり大変だとは思いますが、各ページの結びつきを意識することが重要です。

 

「⑤これからの研究計画 特色・独創性・インパクト」(4ページ目)

 ここは、すでに明らかにしたことを、再述するだけです。そして、現在の日本において、どれだけこの研究が重要かを明らかにするため、いまの学会の流れや、日本社会の問題につなぎ合わせて見ることになります。そのため、ニュースや新聞を検索して、事例を探しておくと良いでしょう。

 

「⑦人権の保護及び法令等の遵守への対応」&「⑥年次計画」

 書いてきたことを再述、そして留意点を書くだけになります。ただし、人権保護などは年々厳しくなっていることもあり、手を抜けないものになっています。参考文献として、おすすめは、日本学術振興会の資料「科学の健全な発展のためにー誠実な科学者の心得ー」です。 理系を対象にしたものと思われますが、かなり詳しく「個人情報」保護について書かれており、参考になります。何よりも、日本学術振興会が書いているのですから、安心です(^_^)

研究公正|日本学術振興会https://www.jsps.go.jp/j-kousei/rinri.html

 

これで、一応、申請書が出来上がりました。これを、受入教員の先生に添削してもらってください。そして、友人にも見てもらっても良いでしょう。

 ただ、船頭多くして船も山に登ります。信頼できる方だけに、意見を聞くべきです。

 

それでは、健闘を祈ります。 

 

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 基本的には、立ち読みで良いと思います。研究室にないのであれば買い!!

科研費 採択される3要素: アイデア・業績・見栄え

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実際には参考にならないかもしれないけれど、読むと安心する本です。