オニテンの読書会

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お金をもらいながら、大学院で勉強しよう!!① (学振DC1獲得 & 貸与奨学金返還免除)

 昨今、奨学金返済で困っている方々がテレビ番組に取り上げられています。一般のイメージでは、《大学院生=苦学生》でしょうか?

 しかし、かなりの人数の院生が、奨学金の給付をうけ、勉強するには困らない程度の資金を獲得している事実は、あまり報道されておらず、優秀な人材が大学院を敬遠するようになっています。このままでは日本の研究力の低下につながると思い、この記事を書きます。

 (追記、最近、学振や奨学金返還免除を受けることが、必ずしも、重要ではないという、妄言をtwitter上で見ましたが、競争的資金を獲ることを疎かにした人間が、どうなるのかは、しっかりと考えてください。研究室の先輩をみれば、わかりますよね。)

 この記事では、これから、大学院に進学したい学部生、そして保護者の方を対象に、日本学生支援機構第1種奨学金「特に優れた業績による返還免除」、日本学術振興会特別研究員DC1の獲得、の二つの競争資金について取り上げます。

 

獲得できる資金の概要

○日本学生支援機構第一種奨学金(貸与奨学金 月額5万円〜8万8千円)

 返還免除申請とは?

 この奨学金は、無利子貸与型です。しかし、「学問分野での顕著な成果や発明・発見のほか、専攻分野に関する文化・芸術・スポーツにおけるめざましい活躍、ボランティア等での顕著な社会貢献等も含めて評価し、」奨学金の返還が免除されます。

 返還免除の種類は、全額と半額の二つで、全額の指定を受けると最高で2,112,000円(二百万円以上)の奨学金返還が免除、つまり給付になるわけです。

 

 意外と高い、免除割合!

 返還免除の「特に優れた業績」という言葉から、「難しいんじゃないの?」と思う方も多いかと思いますが、実は、返還免除を認定を受ける割合は、かなり高いのです。

 平成27年度の修士課程で、第一種奨学金の貸与を受けた院生は、23,949人、その内2,389人が全額免除、4,778人が半額免除の認定を受けています。

 割合は、7,167➗23,949 = 0.299...ですから、30パーセント近くの申請者が、100万円以上の給付を受けているわけです。

 

 ※第2種奨学金では、「特に優れた業績による返還免除」の認定を受けることはできませんので、ご注意ください。

    (http://www.jasso.go.jp/shogakukin/taiyochu/gyouseki_menjo.html

 

○日本学術振興会特別研究員DC1(給料:月額20万円 研究費:年約80〜120万円)

 博士課程に進んだら、絶対にもらっておきたい、獲得したいのが、特別研究員DC1です。この特別研究員の認定を受けると博士課程の三年間毎月20万円の給料をもらうことができ、アルバイトをせず、研究に専念できます。嬉しいのは、給料以外に研究費(科学研究費助成)をもらえることです。この研究費では、書籍やパソコンの購入だけでなく、海外学会に参加するための旅費や学会費まで、賄うことができるのです。

 

 これまた、高い採用割合!!

給料をもらいながら研究に専念できる、いわば、「国費大学院生」である特別研究員DC1ですが、その採用割合は、20パーセントを超えています。

 平成28年度の特別研究員DC1の採用は、

 申請者が3,341人で、採用者が727人ですので、21.8パーセントの申請者が採用されています。

               (https://www.jsps.go.jp/j-pd/pd_saiyo.html

 

 奨学金の返還免除や特別研究員採用については、別記事で説明、攻略方法を書きたいと思います。キーワードは、スケジュール管理・業績・研究の明確さです。

 

 

大学院に進学しようと思った時の、研究室選び

  〜研究室の経験と、指導教授の経営感覚〜

なぜ、奨学金返済免除や学振特別研究員の情報がまわらないか?

 大学の研究室でも、こうした情報は共有され難いものです。それは、各研究室に「持てる者と持たざる者」がおり、研究室の和を乱さないため、獲得した院生や先生が気を使っていることもあります。アルバイトに勤しむ院生もいれば、研究に邁進する院生もおり、その研究進度も獲得した資金の有無で大きく左右されます。

 最も深刻なのが、所属している研究室自体、そして大学自体が「持たざる者」側で、特別研究員の採用されたことが一度もない研究室なども多くあります。そうした環境では、給付奨学金や特別研究員があることを知らない院生もいるようです。

 内部進学を考えていらっしゃる方は、仲の良い院生に聞いてみると良いと思います。研究室が、実は二つの層に分かれていることが見えてくると思います。

 

大学院・研究室選びの中に、「競争資金」を

 そのため、大学院選びの一つの基準として競争資金に強い研究室かどうかは、その後の研究生活に影響を与えるもののため、考慮に入れる必要があります。

 もちろん、自分のしたい研究が出来る研究室や大学を選ぶことが、最重要です。しかし、研究者を目指し、その後のアカデミックポストのことを考えれば、奨学金や特別研究員の採用を応援してくれる先輩や、先生がいる研究室の方が、博士学位取得後の面倒見も良いのではないでしょうか。

 

大学院・研究室への挨拶をするときは

 ある程度、特定の大学院や研究室の目星がついたら、その研究室の先生にお話を聞きに行くことをおすすめします。その時、先生に直接聞いてみても良いと思います。なぜなら、院生が奨学金返還免除や特別研究員の採用を受けていることは、指導教官としても嬉しいことですので、結構饒舌に語っていただけるからです。

 いきなり、経済的なことを聞くのは、不躾かと思ってしまいますが、優れた経営・運営感覚をもった研究者の方は、お金の計算に非常に強く、院生にとって返済免除や特別研究員の採用がどれだけ重要なことか理解されておりますので、思い切って聞いてみてください。(院生がいれば、院生にも。ただその院生が「持てる者」かは、気をつけてください)

 また、経営感覚が鋭い先生は、TA(ティーチング・アシスタント)やRA(リサーチ・アシスタント)を積極的に採用してくれる場合も多いので、研究にかかわるアルバイトの紹介をしてくれることも多いです。

 

 

大学院進学において、奨学金や特別研究員の制度を知ることは、非常に重要です。大学院進学で悩んでいる方は、まず経済面で困らないように、こうした制度にチャレンジする意識をもつと良いと思います。今回は、日本学生支援機構第1種奨学金「特に優れた業績による返還免除」、日本学術振興会特別研究員DC1の獲得を取り上げましたが、県出身者を対象とした奨学金や、大学が設立した研究助成など多くありますので、どんどん調べてみると良いと思います。

 

 

 

 ②では、大学院進学後、学振DC1獲得 & 貸与奨学金返済免除に向けて、いかにスケジュールを組むか、について書きました。

www.oniten-yomu-book.com

 

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