オニテンの読書会

文化・民俗や、オススメ本の紹介、思ったことも書きます。

本と思索

台湾の『君が代』ー『君が代』を歌う祖母ー

こんにちは。台湾出身、日本在住のキャロルです。今回は、台湾における「君が代」のお話をしたいと思います。 【目次】 祖母が「君が代」を歌えるか、聞いてきた 「君が代」形成を知る 台湾の「君が代少年」ー植民地支配と『国歌』ー 「君が代」を歌う祖母 …

「だから、神を信じた方が良い」の説明が、まったく納得いかなかった話。

みなさんは、神様や仏様の存在を信じていますでしょうか? わたしは、特に宗教を信じてはいませんが、神様はいてもいなくてもいいなぁ、と思ったり、いた方がいいんじゃないか、と思ったりと、無神論者とも言い切れない曖昧な立場です。 でも、毎年初詣には…

台湾のゲイコミュニティを描く『孽子』〜1970年代の青春と同性愛〜

2017年5月24日、台湾では大法官会議において、同性愛者の結婚制限は違法だという判決を下りました。反対する人々も多くいましたが、同性婚を社会的に認めるに大きな一歩としてとらえられています。 今回は1970年代台湾のゲイのコミュニティを描いた小説、『…

本が溢れてくる瞬間に。 インプットとアウトプットの境界線に立って。

みなさんは、本を読んでいる途中で、突然読み進めることができなくなってしまうことはないだろうか。わたしは、月に10冊から20冊ほど本を読むのだが、5〜10冊ほど連続して読むと、吐き気や怒りにも似た感情が沸き起こり、本を読み進めることができなくなって…

何も起きない探偵の物語。ポール・オースター『幽霊たち』

【108円本屋大賞】 某大手古書店チェーンに存在する100円均一棚。それは、売れ残り、値段が下げられ続けた本たちが、最後に行き着く、最果ての地である。しかし、そんな棚にも、傑作、名作が眠っている。そんな本を救い出し、読み、人に勧めたら、、、 と…

盲目の少女が、《見た》残酷な真実とは? ジッド『田園交響楽』

【108円本屋大賞】 某大手古書店チェーンに存在する100円均一棚。それは、売れ残り、値段が下げられ続けた本たちが、最後に行き着く、最果ての地である。しかし、そんな棚にも、傑作、名作が眠っている。そんな本を救い出し、読み、人に勧めたら、、、 と…

台湾の「民間療法」と「精神病院」を考える場所:龍発堂

この前、台湾鉄道で台湾南部の「高雄」から「台南」まで移動しました。 両地の境で、一つ不思議な建築をみかけました。 看板には、「龍発堂」と書いてあります。 〈写真1〉龍発堂写真(写真出典:●) 台湾では、龍発堂はほぼ「精神病院」とイコールとなって…

ムスリムとの共同生活を描いたマンガ『サトコとナダ』 おすすめマンガの紹介です。

みなさんのムスリム(イスラム教徒)へのイメージは、どんなものでしょうか?「わからない」、「寡黙そう」、「こわい」、結構ネガティブなイメージを持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 では、ムスリムと一緒に仕事をしたり、住んだことがあ…

Dunkirk Spiritって何? Brexit時代の映画「ダンケルク」

映画「ダンケルク」の公開が2017年9月9日に迫っています。 わたしは、シンガポールで一足早く、7月20日の公開初日に鑑賞してまいりました。 (シンガポールでは公開初日ということもあり、満席となっていました。) 今回の記事では、映画「ダンケルク」の舞…

戦後最大の奇書『家畜人ヤプー』の《作者》は、マスコミによってデッチアゲられた!!?

みなさんは、『家畜人ヤプー』という作品をご存知でしょうか? わたしとしては、娘に読ませたくない作品ナンバーワンレベルの作品だと思っています。初めて読んだ時は、「なんじゃこりゃ!」と思ったのですが、マゾヒスト作品として作られたものと知ると、「…

ハゲの哲学 -さよなら、髪の毛、そして、こんにちは、自分。

ハゲとは、自身に絶望を見ることである。 しかし、その躓きから、自分を見つけ出す行為でもある。 Suguru TAKAGI , Japan みなさんは、ハゲていますか?わたしは、20代後半のあたりから、髪の毛が颯爽としてきました。そうです。ハゲてきたのです。今回の記…

就活の珍問「桃太郎の中で、誰をハズすべきか」を、真面目に考えてみる。

6月も中旬になり、就職活動をすでに終えた大学生も多くなってきましたね。先日、就活を終えたばかりの大学生に、突然、相談をされました。 大学生「タカギさんだったら、面接でこの問題、なんて答えますか?」 わたし「どんな問題だい?」(ワクワク) 大学…

本を読まないとは、どういう状態か?  レイ・ブラッドペリ『華氏451度』、ショーペンハウアー『読書について』などから考える。

若者の活字離れが叫ばれて、久しく、大学生が本を読まなくなったと聞いても、別段驚くことではないと思ってしまいます。 今回の記事では、「本を読まない」という状態を考えてみたいと思います。 【目次】 本を読むことを禁止された世界では、テレビ画面が大…

女性の運命を翻弄する真っ赤な提灯 中国映画『紅夢』をご紹介

最近バチェラー・ジャパンを視聴しました。今は前半しか見ていませんが、何となく「ローズセレモニー」というシステムが非常に気になり、思わず昔見たことのある中国映画、『紅夢』のことを思い出しました。 『紅夢』(原題:大紅灯笼高高挂=真っ赤な提灯を…

文学部で学ぶということ。

わたしのような人間が「文学部」というものを語る資格があるのかわかりませんが、消えゆく文系学部に属していた人間として、そして文学部という魔窟に10年もいた人間として、少し書きたいと思います。これから文学部に進学しようか迷っている高校生や、進路…

わたしに、文学部進学を決心させた本たち。 高校時代に出会った7冊をご紹介!

現在、文学部不要論が唱えられています。文系学部は、縮小され、理系学部が拡充されていくことになるのは、もう止められない、時代の流れなのだと思います。 同じような不要論を考えますと、部活不要論、そして結婚不要論まで、存在しています。「文学部がな…

わたしの読書習慣 時間がないあなたに「読書トーナメント」のススメ

わたしは、月に15〜20冊ほど本(学術書や小説)を購入します。積読もありますので、月の読書量は10冊程度になっています。 わたしは、速読ができないので、本を読む時間を特別に作らなければなりません。 20代中頃の2年間は、毎日1冊読むという荒行をしてい…

よみがえる伝承・都市伝説 常光徹『学校の怪談−口承文芸の研究〈1〉』 おすすめの本の紹介 & めざせ!妖怪検定!⑤

今回の記事では、一冊の本の内容を紹介していきたいと思います。 〈目次〉 「学校の怪談」を研究する めざせ!妖怪検定!! 「トイレの花子」や「口裂け女」のような、1980年代に一世風靡した都市伝説の背後には、急速的な社会変遷との関係性があります。し…

数学者によって作られたアニメがある。  サイモン・シン『数学者たちの楽園 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち』 おすすめ本の紹介です。

みなさん、数学は好きですか?わたしは、数学の才能は、からっきしなかったのですが、数学者についての本を読むのは大好きです。フェルマーの最終定理や、ポアンカレ予想などの難問に挑む数学者の姿に、胸がトキメキます。 今回、紹介する本は、挑戦する数学…

2022年、フランスにイスラム政権が発足!? 予言か、それとも、文学か。 ミシェル・ウェルベック『服従』 おすすめ本の紹介です。

2017年のフランス大統領選では、中道で無所属のマクロン氏が、極右政党・国民戦線のルペン氏を破り、フランス史上最年少の大統領が生まれました。今回のフランス大統領選の決選投票は、主要政党不在の異例の投票となりました。 2017年のフランス大統領選で浮…

「闇の中世」と、「光のルネサンス」は如何に作られたのか? ジャック・ル=ゴフ『時代区分は本当に必要か?』 おすすめ本の紹介です。

古代、中世、近代、そして現代と、歴史を区切った「時代区分」についての学術書をご紹介いたします。歴史書というよりは、「◯◯時代」と呼ばれる時代区分を作り出した歴史家の思想や、作り出された時代区分の影響について考察されている本です。ですので、少…

「思い出」を大切にできない人々。

わたしは、「思い出」を大切にできない。自分が薄情な人間なのか、と悩むこともあった。しかし、わたしのような人間も少ないくないのではなかろうか。 【目次】 思い出の品は、何処に消えた 連絡はとらない ノマドの家系ー定住しない家族ー 日々、終活ー最低…

理想の青春像と、大人への物語 エーリッヒ・ケストナー『飛ぶ教室』 【108円本屋大賞】

【108円本屋大賞】 某大手古書店チェーンに存在する100円均一棚。それは、売れ残り、値段が下げられ続けた本たちが、最後に行き着く、最果ての地である。しかし、そんな棚にも、傑作、名作が眠っている。そんな本を救い出し、読み、人に勧めたら、、、 と…

疲れた心を癒す、明日も頑張ろうと思える 偉人たちの自伝・随筆 7冊

疲れた時や、自信がなくなった時、支えてくれる本があります。今回の記事では、おすすめの偉人たちの自伝・ 随筆を紹介いたします。 文学の偉人、宗教の偉人、物理学の偉人、さまざまな偉人の思想に触れられるような本を紹介したいと思います。 5月病、眠れ…

わたしの読書ノートの選び方。アピカ・ライフ・ツバメノートを比較して

みなさんは、ノートに読んだ本を記録していますか?わたしは、5年ほど前からですが、読書ノートを作るようになりました。わたしは、読書ノートに、内容をそのまま書き取ったり、コメントや感想を書いたりしてます。 今回の記事では、わたしの読書習慣である…

排外主義の盛衰を考える。 浜本隆三 『クー・クラックス・クラン:白人至上主義結社KKKの正体』 おすすめ本の紹介です。

アメリカではトランプ大統領が生まれ、ヨーロッパでは移民排斥を訴える極右政党への支持が急増している昨今、「排外主義」という言葉を耳にするようになりました。 人々は「他者」を生み出し、「他者」を恐れ、そしてその「他者」によって自分たちの既得権益…

小学生の作る秘密基地の観察報告。

小学校の頃、よく友人たちと秘密基地をつくりました。家の近くの裏山、沼地の側の茂みに、自分たちの基地を作っていました。その規模は、大人になった自分としては、あまりにも小さく、作りもシンプルなものでしたが、ヒモで陣地をくくったり、枝を集めたり…

日本で、もっとも清らかな場所でのお仕事  高谷朝子『皇室の祭祀と生きて 内掌典57年の日々』 おすすめ本の紹介です。

神道や、皇室に興味がある方に是非読んでいただきたい本があります。 今回ご紹介する本は、高谷朝子著『皇室の祭祀と生きて 内掌典57年の日々』です。 皇室の祭祀と生きて: 内掌典57年の日々 (河出文庫) 作者: 高谷朝子 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売…

正解のないものが好きだ。 肉吸いとわたしの物語

わたしは、正解がないものに惹かれる性格です。正解がない、というのは、学術的には、理論や再現性がない、ということになるかもしれませんが、もっと、日常的なものです。 たとえば、埼玉から茨城県まで、カーナビや地図を使わずに行ってみよう、そして、何…

外国文化と戦う「カタカナ」の物語    山口謠司『カタカナの正体』 オススメ本の紹介です。

わたし達の生活、職場、学校は、横文字であふれています。その横文字の単語が、アルファベットで表されることは、ほとんどなく、「カタカナ」で表されるのが普通です。 突如、現れる外来語、わたし達は、不安や疑問を抱きながらも、「カタカナ」で表されるこ…